日本郵船は十三マイルを走る

 この郵船は、余が所乗の郵船とともに、同じくマルセイユを指して西航せるも、速力の相違により、二、三時間の後には、はるかに後方の雲波中に埋没して、見ることを得ざるは遺憾千万なり。英国郵船は一時間十六マイルを走り、日本郵船は十三マイルを走る。後者が競走して敗をとるはもちろんなり。 インド出発後、船中の...

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紅海書懐

  紅海書懐紅海尽頭風月幽、亜山埃水入吟眸、客身已在天涯外、遮莫家郷憶遠游。(紅海の懐いを書す  紅海の尽きるあたり、風も月もほのかに、亜《アラビア》の山と埃《エジプト》の水が詩人の眸のなかに入ってきた。旅客の身はすでに天の果てにあり、それはそれとしてもふるさとでは遠く旅にありと思っていることだ...

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ボンベイを発し、スエズに向かう

[#7字下げ]一六、ボンベイを発し、スエズに向かう[#「一六、ボンベイを発し、スエズに向かう」は中見出し]

 三十六年一月三日、ボンベイ港を発し、これよりインド洋に入る。四日(日曜)、五日、六日、風清く波穏やかなり。かつ毎日天遠く晴れ、毎夜月高く懸かり、洋中の風光また一段の妙あり。七日夜、はじめて...

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