山自蒼蒼水自清

リスボンの灯台今は暗らけれど昔しは四方の海を照せり山自蒼蒼水自清、灯台聳処是葡京、星移物換人何去、失却往年航海名。(山はおのずから青あおとしげり、水もまたおのずから清らかに、灯台のそびえたつところが葡《ポルトガル》の首都である。星移り物かわる歳月に人々はいずくにか去り、いまや往年の航海の名声も失...

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風寒人影少

風寒人影少、唯見電灯連、終夜船来去、汽声破客眠。(風は寒く、人影もまれに、ただ電灯の連なっているのを見るだけである。一晩中船舶が入港しては出航してゆき、汽笛の音が旅客の眠りをさまたげるのである。)[#ここで字下げ終わり] アデンよりポートサイドまで海路一千四百マイル余、ポートサイドよりマルセイ...

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日本郵船は十三マイルを走る

 この郵船は、余が所乗の郵船とともに、同じくマルセイユを指して西航せるも、速力の相違により、二、三時間の後には、はるかに後方の雲波中に埋没して、見ることを得ざるは遺憾千万なり。英国郵船は一時間十六マイルを走り、日本郵船は十三マイルを走る。後者が競走して敗をとるはもちろんなり。 インド出発後、船中の...

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